極甘同棲～エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
理沙子さんはブラックコーヒー、わたしはカフェオレを注文した。

ほどなく運ばれてきたコーヒーを口にする理沙子さんの姿が、一瞬、彬良くんと重なった。やっぱり親子なんだなって、当たり前のことを思う。

「そよかちゃんとお付き合いすることになったって彬良から聞いたのは、何ヶ月か前なんだけど。正直、あらやっと、っていう感じだったわ。もう一緒に住んでるっていうから、展開が早いわね〜と思ったけど」

すみません、恋人っていう関係は解消して、今はただの居候で・・・と心の中で言い訳をする。
どうやら理沙子さんは、まだ別れたことまでは知らないみたいだ。彬良くんが言っていないことを、わたしがしゃべってしまうのもはばかられて。
曖昧な表情のまま、ぎこちなさをごまかすために、カフェオレをすする。

「なのにあの子、いきなりニューヨークでしょ。会社っていうのは社員のプライベートまで考慮してくれないものね。超遠距離になっちゃうけど、そよかちゃんとなら、わたしは別に心配してないの」

「な、なんでですか？」
思わずどもりながら、そう訊いてしまった。
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