極甘同棲~エリート同期の独占欲を煽ってしまいました
「行きたいところとか、やってみたいこととかある?」
彬良くんが聞いてくれる。

「んーとね、ネットでおすすめスポットを調べたくらいなんだけど。岡山後楽園っていう庭園と、大原美術館に行ってみたいかな。あと、どこかでお土産探さないと・・・。部署のみんな、旅行とか出張に行くとよくお土産くれるから。わたしもお返ししたくて」

「そうだな、あんまり予定詰めこむと疲れるから、今日は後楽園に行こうか。で、夜はうまいもん食って」

もちろん異論はない。彬良くんにゆったり過ごしてもらいたいっていうのが、旅行の一番の目的だから。

「明日美術館見学して、お土産買うなら民藝館がいいと思う」
彬良くんのリサーチはいつもながら完璧だ。

「じゃあ庭園に向かおうか」
すっと手を上げてタクシーを止める。

庭園に到着して、したたるほどの緑と美しい日本庭園のたたずまいを、ふたりでのんびり眺めながら歩いた。
途中、庭園の中にあるお茶屋で抹茶とお団子で一服。
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