ネェ、オレヲアイシテ?Ⅰ~Belief or Hypocricy~




「…………っ」



妖斗は、唇を噛み、泣きそうな顔をしていた。



捨てられた、なんてもんじゃなかった。





きっと、光輝は俺の何倍も傷ついて生きてきたんだ……。






「……あの日以来、俺は親父には会ってない。でも多分、あいつは俺を探してる。俺が一人になったところを捕らえて、暴力を振るう好機を探してるんだろうな。










……しかし当の俺は、家が何処にあったのかとか、母親と父親はどんな顔してたのかってことすら記憶にない。







精神的なショックの問題で、思い出す確率はかなり低いって医者は言った。せいせいしたと思ったよ!!だって、……あいつは俺の人生を粉々に打ち砕いたんだから。






普通の学校生活も、母親からの愛も、あいつは俺から奪ったんだ」






いつの間にか、光輝の瞳から涙が零れ落ちていた。






初めて見た、こいつが泣いたとこなんて。







妖斗や俺に兄貴ヅラばっかしてるこいつでも泣いたりすんだと思い、少しびっくりした。







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