続・マドンナブルー
咲羅と長尾は、玄関までの廊下を歩調を緩めて歩き、会話に花を咲かせた。包容力のありそうな長尾の雰囲気から、彼の年齢は咲羅よりも三つ四つ上だろうと感じていた。しかし、彼は咲羅の一歳年上と分かった。同時期に同じ校舎で学生生活を送っていたと判明し、共通の話題を探して盛り上がった。
条件反射のように、咲羅は、長尾は安藤を覚えているだろうか、と思った。安藤の思い出話をして、甘酸っぱい気持ちに浸りたくなったが、結局彼のことには触れなかった。
長尾は、体型がいかにもスポーツマンといったふうに締まっていて、職員室でいつも、優しそうで、どこか茶目っ気のある笑顔を振りまいていた。今日、彼と初めてじっくり話してみて、彼の性格は印象どおりの好青年だと分かった。独身の女性教師たちが騒ぐのも無理もない。咲羅の中でも、ときめきのような感情がかすかに動いた。久しぶりの感覚である。咲羅の中に、いつまでも図太く居座る安藤へあてつける気持ちも、多少なりともあった。
二人の足は、職員玄関に着いていた。話が盛り上がっていたため名残惜しさがあったが、時間が時間である。いつまでもこんなところで立ち話というわけにはいかない。後ろ髪を引かれる思いで二人は玄関を出、それぞれの車へと歩いていった。
長尾が別れ際、
「門倉先生、近いうち、一緒に飯行きましょう」
と言った。なんてことない。今日話が盛り上がったことの延長だ。咲羅はそう解釈したが、好青年に食事を誘われて悪い気はしない。咲羅自身、いい加減過去に縛られて殻にとじこもる生活に辟易していた。断る理由など見つかるはずがない。
「はい。よろこんで」
と咲羅は承諾を口にした。
条件反射のように、咲羅は、長尾は安藤を覚えているだろうか、と思った。安藤の思い出話をして、甘酸っぱい気持ちに浸りたくなったが、結局彼のことには触れなかった。
長尾は、体型がいかにもスポーツマンといったふうに締まっていて、職員室でいつも、優しそうで、どこか茶目っ気のある笑顔を振りまいていた。今日、彼と初めてじっくり話してみて、彼の性格は印象どおりの好青年だと分かった。独身の女性教師たちが騒ぐのも無理もない。咲羅の中でも、ときめきのような感情がかすかに動いた。久しぶりの感覚である。咲羅の中に、いつまでも図太く居座る安藤へあてつける気持ちも、多少なりともあった。
二人の足は、職員玄関に着いていた。話が盛り上がっていたため名残惜しさがあったが、時間が時間である。いつまでもこんなところで立ち話というわけにはいかない。後ろ髪を引かれる思いで二人は玄関を出、それぞれの車へと歩いていった。
長尾が別れ際、
「門倉先生、近いうち、一緒に飯行きましょう」
と言った。なんてことない。今日話が盛り上がったことの延長だ。咲羅はそう解釈したが、好青年に食事を誘われて悪い気はしない。咲羅自身、いい加減過去に縛られて殻にとじこもる生活に辟易していた。断る理由など見つかるはずがない。
「はい。よろこんで」
と咲羅は承諾を口にした。