吐露するキズ跡
手は一瞬演奏から離れる。

くいっとグラスはあおられて、グラスが戻される。

…みんな一気飲みなんだな。

トウゴさんの傍に回り込む。トウゴさんは片手でトレーからグラスをかっさらってグラスをあおる。

その間も片手は演奏してる。

最後にやっと羽のところへ回り込めて、

あたしはワインのグラスに手を添える。

羽の目が、嫌がってる。

ウーロン茶のコップを手に取って、差し出してみる。

「ベースの子、飲めないんだあ〜」

後ろの席の女の人がクスクス笑ってる。

「そこもかわいいなあ〜」

そこも、も???

もう、目を付けられちゃってるじゃん、羽。

ちょっとハラハラする。

何で、モテるんだろう、このヒト。

お酒を配り終え?るのを合図みたいに、押さえられてた演奏が、終わって、普通の音量の演奏に変わった。

飲みながら、お客たちが、集まってくる。

披露宴会場が、ライブハウスに変わった。



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