トシノサ恋 ~永久に…君に~
ニャー
一匹の猫が私の前を通りすぎる…
「…白猫…」
紅と同じ……
あれから紅を見つけることができなかった。
何度も探したけど…
ごめんね…
見つけてあげれなかった…
「ごめん…一人ぼっちにして」
一人ぼっち…か。
そういえば私も、一人ぼっちだ…
きっともう見つけてもらえない…
ポロポロポロ…
急に涙が頬を伝う…
「え…何で…?」
バカみたい…自分が望んだことなのに…
彼が幸せならそれでいい…
頑張ってくれたら…それだけで…
「それだけで…いい…」
涙が溢れてとまらなくなる…
「…バカみたい」
バッグからハンカチを出そうとして
ガシャ…
手から滑り落ち着た。
「…はぁ…」
何やってるんだ…私…
自分に呆れつつ
道端に落ちた荷物を拾おうと屈んだ。
その瞬間…
ニャー、ニャー、ニャー
足下に白猫がじゃれついてきた…
「…え…さっきの?」
違う…
…あれ?
この赤い首輪…見覚えがある…
その猫を抱き上げる…
間違いない…っ!
首輪のプレートに"BENI"と刻印されていた。
「…べに?…紅…なの?」
その猫を撫でると
ニャーと鳴いている。
「…どこから来たの?え…?」
こんな所まで…どうやって?
辺りは夕日が沈みかけていた。
空が薄紫になっていき遠くがよく見えなくなっていく…。
え…どういう事…?
ドクン、ドクン…
胸の鼓動が強くなっていく…
ガサッ
遠くで人影らしき物が見えた。
…誰?
「…すみません…猫が離れてしまって…」
近付いてくる人影が私に話しかける…
「……………え」
この声…
…低く掠れた…懐かしい…
人影は、私の目の前まできて止まった。
私は、ゆっくりと見上げる…
「……やっと…見つけた…」
そう言った彼の姿は、すっかり大人の男
性だった。
5年ぶり…
けれどその瞳は、相変わらず優しくて
彼が光くんであることがわかった。
「…な…何で…?」
私は、紅を抱きながらゆっくりと
立ち上がった。
「あれから、紗和が言ったようにしっかり
高校生活がんばったよ…。
空手もまた始めて、インターハイにも行った。
その後、親父の空手道場を取り戻して
空手を教えながら、通信で大学通ってる。
来年から体育教師として高校で働くつもり…。
だから、もう紗和を迎えに行っても
怒られないって思ったから…会いにきた。」
迎えに…私を?
「…どうして、ここにいるって…?」
私…ほとんど誰にも教えてないのに…。
平野先生にも詳しくは言ってないし…。
「実は…紗和の友達を口説きおとして…」
「えっ!もしかして日向子?」
「…うん、何度も通って…やっと…ね。」
そう言って彼は笑っている。
「…そうなんだ…」
どうしよう…
あんなに会いたくて仕方なかったのに…
いざ、会ってしまうと…
どうしたらいいのか全然わからなくなる…
「…紗和…」
彼の手が私の頭に優しく触れる…
いつの間にか夕日が沈み、辺りが暗くなっていた。
「…あ、私…バッグひっくり返しちゃって…」
慌てて屈むと紅を地面に置いて中身を拾う。
胸が苦しくなっていく…
「…大丈夫?手伝うよ…」
光くんが紅をバスケットに入れると
屈んで私の目の前に現れた。
ドキッッ…
ち、近い…
心臓が…胸が…苦しい…
「ごめん…大丈夫だから…」
ガサガサ…
彼は慌てる私の手をギュッと握りしめた。
「…っっ…」
「…紗和…俺を見て」
見てって…そんなこと…言われても…
チラッ…
彼の顔を見上げると真剣な顔で私を見つめられる…。
ドキドキ…
心臓の音が速くなっていく…
「……紗和…俺の事…忘れてた?」
「…え?」
「もしかして…俺が来て、嫌だった?」
「…な、何で?」
嫌なわけない…
忘れるなんて…できなかった
でも、うまく言葉が出てこない…。
「だって…さっきから…
全然嬉しそうな顔してないから…
本当は俺が来て迷惑だったんじゃ…
ないかなって…不安になってる。」
「…え」
スッ…
そう言って彼は私の手を離すとゆっくりと
立ち上がった。
私は、彼がそのまま、背を向けて
行ってしまう気がした。
一匹の猫が私の前を通りすぎる…
「…白猫…」
紅と同じ……
あれから紅を見つけることができなかった。
何度も探したけど…
ごめんね…
見つけてあげれなかった…
「ごめん…一人ぼっちにして」
一人ぼっち…か。
そういえば私も、一人ぼっちだ…
きっともう見つけてもらえない…
ポロポロポロ…
急に涙が頬を伝う…
「え…何で…?」
バカみたい…自分が望んだことなのに…
彼が幸せならそれでいい…
頑張ってくれたら…それだけで…
「それだけで…いい…」
涙が溢れてとまらなくなる…
「…バカみたい」
バッグからハンカチを出そうとして
ガシャ…
手から滑り落ち着た。
「…はぁ…」
何やってるんだ…私…
自分に呆れつつ
道端に落ちた荷物を拾おうと屈んだ。
その瞬間…
ニャー、ニャー、ニャー
足下に白猫がじゃれついてきた…
「…え…さっきの?」
違う…
…あれ?
この赤い首輪…見覚えがある…
その猫を抱き上げる…
間違いない…っ!
首輪のプレートに"BENI"と刻印されていた。
「…べに?…紅…なの?」
その猫を撫でると
ニャーと鳴いている。
「…どこから来たの?え…?」
こんな所まで…どうやって?
辺りは夕日が沈みかけていた。
空が薄紫になっていき遠くがよく見えなくなっていく…。
え…どういう事…?
ドクン、ドクン…
胸の鼓動が強くなっていく…
ガサッ
遠くで人影らしき物が見えた。
…誰?
「…すみません…猫が離れてしまって…」
近付いてくる人影が私に話しかける…
「……………え」
この声…
…低く掠れた…懐かしい…
人影は、私の目の前まできて止まった。
私は、ゆっくりと見上げる…
「……やっと…見つけた…」
そう言った彼の姿は、すっかり大人の男
性だった。
5年ぶり…
けれどその瞳は、相変わらず優しくて
彼が光くんであることがわかった。
「…な…何で…?」
私は、紅を抱きながらゆっくりと
立ち上がった。
「あれから、紗和が言ったようにしっかり
高校生活がんばったよ…。
空手もまた始めて、インターハイにも行った。
その後、親父の空手道場を取り戻して
空手を教えながら、通信で大学通ってる。
来年から体育教師として高校で働くつもり…。
だから、もう紗和を迎えに行っても
怒られないって思ったから…会いにきた。」
迎えに…私を?
「…どうして、ここにいるって…?」
私…ほとんど誰にも教えてないのに…。
平野先生にも詳しくは言ってないし…。
「実は…紗和の友達を口説きおとして…」
「えっ!もしかして日向子?」
「…うん、何度も通って…やっと…ね。」
そう言って彼は笑っている。
「…そうなんだ…」
どうしよう…
あんなに会いたくて仕方なかったのに…
いざ、会ってしまうと…
どうしたらいいのか全然わからなくなる…
「…紗和…」
彼の手が私の頭に優しく触れる…
いつの間にか夕日が沈み、辺りが暗くなっていた。
「…あ、私…バッグひっくり返しちゃって…」
慌てて屈むと紅を地面に置いて中身を拾う。
胸が苦しくなっていく…
「…大丈夫?手伝うよ…」
光くんが紅をバスケットに入れると
屈んで私の目の前に現れた。
ドキッッ…
ち、近い…
心臓が…胸が…苦しい…
「ごめん…大丈夫だから…」
ガサガサ…
彼は慌てる私の手をギュッと握りしめた。
「…っっ…」
「…紗和…俺を見て」
見てって…そんなこと…言われても…
チラッ…
彼の顔を見上げると真剣な顔で私を見つめられる…。
ドキドキ…
心臓の音が速くなっていく…
「……紗和…俺の事…忘れてた?」
「…え?」
「もしかして…俺が来て、嫌だった?」
「…な、何で?」
嫌なわけない…
忘れるなんて…できなかった
でも、うまく言葉が出てこない…。
「だって…さっきから…
全然嬉しそうな顔してないから…
本当は俺が来て迷惑だったんじゃ…
ないかなって…不安になってる。」
「…え」
スッ…
そう言って彼は私の手を離すとゆっくりと
立ち上がった。
私は、彼がそのまま、背を向けて
行ってしまう気がした。