ホテル御曹司が甘くてイジワルです


慌てて捜しに行こうとすると、後ろから「本当に優しい彼氏ですね」と声をかけられた。

「え、いや、彼氏では……っ!」

とんでもない勘違いをされて、慌てて首を左右に振って否定すると、田端さんが意外そうに首をかしげた。

「夢中でプラネタリウムのことを話すあなたのことを、とても優しい表情で見ていたから、恋人同士なのかと思いましたよ」

そんなことを言われ、勝手に頬が熱くなっていく。

「今日のこともね、どこからか珍しいプラネタリウムがあると聞いたらしくて、どうしても見せてあげたいからって頼みこまれたんですよ。大会社の副社長にそこまでしてもらえるなんてどんな人なんだろうと思いましたが、実際にあなたにお会いしたら、こんなに生き生きとした表情で星の話をしてくれるこの子のためなら何でもしてあげたくなるだろうなと納得しました」
「そんなことは……」

弱々しく否定しながらも、胸がさわいで落ち着かなくなってしまう。


清瀬さんはプラネタリウムをつぶそうとしている敵なのに、わざわざ頼み込んでまで私をここへ連れて来てくれるなんて。

真っ赤になって口ごもると、電話が終わったのか清瀬さんが職員入り口の方からこちらに歩いてくるのが見えた。
ドームの出口にいる私たちに気付き、わずかに目を細める。
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