ホテル御曹司が甘くてイジワルです


「好きな女を喜ばせたいと思うのは、当然のことだろ」
「す、好きな……!?」

さらりと言われた言葉を繰り返し、意味を理解した途端動揺で頭が爆発しそうになる。
涙目になった私を見て、彼が楽しげに笑った。


落ち着け私。
清瀬さんは自分が口説いてもなびかない女が珍しくておもしろがっているだけだ。

からかわれているだけなんだから、真に受けちゃだめだ。


そう自分に言い聞かせているのに、彼に見られている頬がじわじわと熱を持っていく。

途方に暮れて背を向けると、ぽんと頭をなでられた。

「行こう」

空気を変えるようにさらりと言って清瀬さんが歩き出す。普段よりも、ゆっくりとした歩調で。

その姿を見ながら、左胸の下。脇腹のあたりを服をぎゅっと握った。

ツルツルしたカットソーの生地越しに、わずかに分かるおうとつを確かめて大きく息を吐く。


落ち着け。勘違いするな。私には恋愛なんて向いてなんだから。

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