ホテル御曹司が甘くてイジワルです

「このまま真央のことを自分のものにしてしまいたいけど、さすがにここじゃな……」

ため息交じりにそう言われ、頭に血がのぼった。

清瀬さんは寺沢さんにオーベルジュで働いてくださいと頼みに来ているのに、その寺沢さんのペンションで抱き合うなんて、確かに色々問題がありすぎる。

「今日はこれで我慢する」

そう言って私を胸の中に抱きこむと、優しくキスをしてくれた。

清瀬さんは、本当に私を愛してくれているんだ。
傷跡を見てもゆらがない彼の優しさに胸がいっぱいで、幸せな気持ちでいっぱいになる。

「清瀬さん……」

腕の中でちいさく名前を呼ぶと、首をかしげてこちらを見下ろす優しい視線。

「大好きです」

なんだか照れくさくてぎゅっと顔をたくましい胸に押し付けながらそう言うと、頭上でくすりと笑い声がした。

「俺も、好きだよ」

甘い言葉が心に溶けて、体中に幸せが満ちていく。
うつむいた私のつむじにキスをして、ぎゅっときつく抱きしめられた。

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