ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「なかなか首を縦に振っていただけないのは、なにか見返りを期待してるからですか?」
三木さんが私を見下ろし目を細めながら、バッグから小切手を取り出した。そこに書いてある金額に、目を見開く。
人の心をお金で解決しようとするその考え方に、怒りと悲しみが湧いてくる。
これは三木さんの独断なんだろうか。それとも、清瀬さんの父である社長からの指示……?
「こんなもの、受け取れません」
私が差し出された小切手を突き返すと、三木さんは仕方ないというようにため息をついた。
「お金は後味が悪くて受け取れないというのなら、いいお医者様を紹介しましょうか」
「……え?」
お医者様って、いったいなんの話だと眉をひそめる。
「手切れ金代わりに、体の傷を消してさしあげますよ」
その言葉に、咄嗟に自分の脇腹に触れた。服の上からもうっすらと分かる凹凸。