ホテル御曹司が甘くてイジワルです

「その脇腹に、傷跡があるんでしょう?」
「どうして知ってるんですか……?」

服を握りしめた指先が動揺で冷たくなる。それなのに、手のひらはじっとりと汗ばんでいた。

「昴さんがおっしゃっていました。あなたの体に、目を背けたいくらい醜い傷跡があると」

清瀬さんが、私の傷のことをそんな風に言っていたんだ。
涙ぐむ私を抱きしめて、傷跡に数えきれないくらいたくさんのキスをしてくれた彼のことを思い出す。

あの時はあんなに優しくしてくれたけど、本当は醜いと思っていたの……?
ショックで、目の前が暗くなった。




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