ホテル御曹司が甘くてイジワルです
ほぉーっと息を吐き出す私を見て、五藤くんが首をかしげる。
「それにしても、すごい荷物だね」
「あ、母に買い物に行って来いってこきつかわれて」
背中に背負ったぱんぱんのリュックを見せると、「運ぶのを手伝うよ」と言ってくれた。
「いいよ、重いから」
「大丈夫。頼りなさそうに見えるかもしれないけど、これでも一応男ですから」
私の背中からリュックを奪うと軽々と背負い、抱えていたお米を自転車の籠に入れてくれる。
「ありがとう」
荷物の重さにへこたれそうになっていたから、本当に助かった。ふかぶかとお辞儀をしてから並んで歩き出す。
「家はどのへん?」
「十分くらい歩いたところのアパート」
「実家に帰って来てるの?」
「そう。久しぶりに長いお休みがとれたから」
「仕事はなにを?」
「小さいプラネタリウムの解説員」
「へぇ!」
つぎつぎに投げられる質問に答えていると、五藤くんが嬉しそうに笑った。