ホテル御曹司が甘くてイジワルです
清瀬さんのご両親も、秘書の三木さんの言うように、グループの後継者の妻には、彼の仕事を理解し支えることのできる有能な女性が必要だと思っているかもしれないし、ふさわしい家柄の女性との結婚を望んでいるかもしれない。
私がうつむくと、大きな両手で頬を包まれた。そして下を向いていた顔を強引に上げさせられる。
「仕事を支えるパートナーなら信頼できる有能なスタッフがいくらでもいるし、政略結婚をしなければこの先グループが生き残っていけないような不安定な経営はしていない」
まっすぐに見つめられ力強く言われても、「でも……」としり込みしてしまう。
「どんな縁談を持ってこられても俺は真央以外の女には興味がないんだ。たとえ両親が反対したとしても、好きな女を幸せにできない男にゲストを幸せにする一流のホテルが作れるわけがない。どんなことをしても、認めさせてみせるよ」
熱い視線を向けられて、頭に血が上る。
清瀬さんがかっこよすぎて、くらくらしてしまいそうだ。
そんな私たちのやり取りを見て、「臆病な真央と強引な清瀬さんで、なかなかいいコンビじゃない」と母が声を上げて笑った。