ホテル御曹司が甘くてイジワルです
「あなたの手であのプラネタリウムを潰すんですか?」
「どちらにしろ、危機意識がないままだと確実に潰れるんだろう?」
私の質問に、質問で返された。
買収の話を持ち掛け、危機意識を持たせるというわけか。
たしかに、買収の話が出れば、のんびりした人柄の館長でもいやでも経営を見直すだろう。
それでプラネタリウムの経営が改善していけば、こちらの思惑通り。
万が一うまくいかなかったとしても、改装することを前提とすれば、あの建物をグループのものにするのは悪い話ではない。
彼の考えを理解して「わかりました」とうなずいた。
「ついでに、万が一買収の話が進んだときのために、彼女の再就職先も探しておきますか?」
私の言葉に、副社長が眉をひそめた。
「彼女?」
怪訝な表情の彼の前に、持っていたもうひとつの資料を差し出す。