情熱的に愛してⅡ
「お姉ちゃんばかり、ずるい。」

そう言って、泣きべそばかりかいていた事を思い出す。


そんな私だったが、特に努力なんて、してこなかった。

中学生の時も、高校生の時も、授業を真面目に聞いていただけで、成績は上位の方だった。

「千沙子ちゃん、すごいね。」

同級生からは、一様にそんな事を言われた。

「うん……あまり勉強してないんだけどね。」


そんな何気ない言葉も、妬みの対象になった。

「千沙子ちゃんって、ちょっと嫌みだよね。」

「なに?私達が、馬鹿だって言いたいの?」


そんな事、一言も言っていないのに、そんな風に思っていると影では言われていた。

こんな不器用な人間なのに。
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