その花が永遠に咲き続けますように
不意に女の子扱いされてしまった。いや、確かに私は女子だけど。永君って、あんまりそういうこと考えていなさそうなのに、女子だから危ないとか、ちゃんと思ってくれているんだ。……何だかちょっと恥ずかしいな。


「じゃあな、咲。当日歌う曲も早く決めたいし、後でメッセ送るけど」

「うん。明日もスタジオ行きたいな。……あ。けど、放課後は文化祭のクラス準備があったりするから、遅くなる日もあるかもしれないけど……」

「それは俺も同じだから大丈夫。どうしても行けなさそうな日は連絡するよ。でも、バイトは極力減らすよ」


そっか。永君はバイトもしていたんだった。だけど私との練習もちゃんと大事にしようとしてくれている。私は洋さんから『半端は許さない』って言われているけれど、永君も全力でやろうとしてくれているのかな。……嬉しい。


そうして永君と別れ、すぐにやって来た電車に乗る。
いつもより遅い時間帯の電車は、空いているかと思いきや案外混んでいた。部活帰りの学生や、仕事終わりの会社員みたいな人が多くなっていたからだ。
皆、毎日遅い時間まで頑張っているんだな。毎日授業が終わるとすぐに家まで帰り、部屋でボーッとしていた自分を恥ずかしく思う。
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