その花が永遠に咲き続けますように
すると永君はーー
「……ごめん」
伏し目がちに、呟くようにそう言う。
「必ず話すけど、今はまだ……」
その表情は、見えない何かにギュッと締め付けられている様に苦しそうだ。
「……でも、そんな大事なことをちゃんと話さないこんな奴と、誰もバンドなんてやりたくないよな」
「え?」
「皆同じ学校ってことは部活とかでやることになるだろうし、そうなるとやっぱ、部外者の俺がいちゃ駄目なんじゃないかなとも思うし」
待って。せっかくここへ来てくれたのに。
永君が遠くへ行ってしまいそうな感覚に不安を覚える。
「俺、やっぱりーー」
「駄目っ‼︎」
ガタッと音を立てながらその場に立ち上がり、思わず大きな声を上げてしまい、私達のテーブルだけじゃなく、一瞬店全体が静まり返ってしまった。
そっと座り直す私に永君は「ははっ。相変わらずよく通る良い声だな」なんて言って笑った。
その笑顔を見ると、やっぱり離れたくなくなる。
永君は何か事情を抱えている。私が無理を言ってバンドに誘っている。それでも、彼が自らここへ来てくれたことも事実だからーー
「嘘を吐いていた理由は、言わなくてもいい」
「咲?」
「永君は人を傷付ける嘘を付く人じゃないってわかるから。だけど私は、どうしても永君とーーここにいる五人でバンドがしたいって思う」
荻原さんも竹入君も白山さんも、永君が文化祭のステージに誘ってくれなかったら今日こうしてここに集まることは絶対になかった。だからこそ、永君がいなきゃ駄目だって思う。
「……ごめん」
伏し目がちに、呟くようにそう言う。
「必ず話すけど、今はまだ……」
その表情は、見えない何かにギュッと締め付けられている様に苦しそうだ。
「……でも、そんな大事なことをちゃんと話さないこんな奴と、誰もバンドなんてやりたくないよな」
「え?」
「皆同じ学校ってことは部活とかでやることになるだろうし、そうなるとやっぱ、部外者の俺がいちゃ駄目なんじゃないかなとも思うし」
待って。せっかくここへ来てくれたのに。
永君が遠くへ行ってしまいそうな感覚に不安を覚える。
「俺、やっぱりーー」
「駄目っ‼︎」
ガタッと音を立てながらその場に立ち上がり、思わず大きな声を上げてしまい、私達のテーブルだけじゃなく、一瞬店全体が静まり返ってしまった。
そっと座り直す私に永君は「ははっ。相変わらずよく通る良い声だな」なんて言って笑った。
その笑顔を見ると、やっぱり離れたくなくなる。
永君は何か事情を抱えている。私が無理を言ってバンドに誘っている。それでも、彼が自らここへ来てくれたことも事実だからーー
「嘘を吐いていた理由は、言わなくてもいい」
「咲?」
「永君は人を傷付ける嘘を付く人じゃないってわかるから。だけど私は、どうしても永君とーーここにいる五人でバンドがしたいって思う」
荻原さんも竹入君も白山さんも、永君が文化祭のステージに誘ってくれなかったら今日こうしてここに集まることは絶対になかった。だからこそ、永君がいなきゃ駄目だって思う。