その花が永遠に咲き続けますように
白山さんのことをじっ、と見つめる私に彼女は「何よ?」と怪訝そうな顔で見つめ返してくる。
そんな彼女に、私は。
「……ありがとう」
盛り上がっている最中の竹入君達には聞こえないくらいの声で、だけど白山さんにはちゃんと届くように、その気持ちを伝えた。
「あ、ありがとうって、何がよ」
「永君がこのバンドに入りやすいように話を振ってくれて。私は上手く言えなかったから」
「かかか、勘違いしないでよね! あんたの為じゃないんだから!」
うん。私の為もじゃなくていいよ。……嬉しかったのは事実だから。
「あっ、そうだ! 早速だけど、バンド名決めよう!」
突然、右手を頭上に真っ直ぐぴーんと伸ばしながら、荻原さんが元気な声で言った。
「結成が決まったばかりなのにいきなりすぎねぇ?」と竹入君は言うけれど、
「そんなことないよ! 大事なことだよ! ねっ、咲ちゃん!」
荻原さんは、何故か私の方を向きながらそう答える。
何故私に聞く? とは思ったけれど、
「うん。決めよう」
私も頷いてそう答えた。
「じゃあどうやって決めるか? こういうのって結構、メンバーのイニシャルを組み合わせて〜とか多いよな?」
竹入君が鞄からノートとシャーペンを取り出しながら言う。私達も皆「そうだね」と彼の意見に同意する。
「えーと。恵那子のE、永のE、咲のS、大輝のD……瑠夏はLか? Rか? ……わかんねーから白山のSでいいか」
「ちょっと! 良くないわよ! 何で私だけ名字なのよ!」
「あ。でもちょうどそれっぽい組み合わせ出来たぞ」
彼がそう言うから、私達は皆で彼の手元のノートを覗き込む。そこには……
seeds
と書かれていた。
そんな彼女に、私は。
「……ありがとう」
盛り上がっている最中の竹入君達には聞こえないくらいの声で、だけど白山さんにはちゃんと届くように、その気持ちを伝えた。
「あ、ありがとうって、何がよ」
「永君がこのバンドに入りやすいように話を振ってくれて。私は上手く言えなかったから」
「かかか、勘違いしないでよね! あんたの為じゃないんだから!」
うん。私の為もじゃなくていいよ。……嬉しかったのは事実だから。
「あっ、そうだ! 早速だけど、バンド名決めよう!」
突然、右手を頭上に真っ直ぐぴーんと伸ばしながら、荻原さんが元気な声で言った。
「結成が決まったばかりなのにいきなりすぎねぇ?」と竹入君は言うけれど、
「そんなことないよ! 大事なことだよ! ねっ、咲ちゃん!」
荻原さんは、何故か私の方を向きながらそう答える。
何故私に聞く? とは思ったけれど、
「うん。決めよう」
私も頷いてそう答えた。
「じゃあどうやって決めるか? こういうのって結構、メンバーのイニシャルを組み合わせて〜とか多いよな?」
竹入君が鞄からノートとシャーペンを取り出しながら言う。私達も皆「そうだね」と彼の意見に同意する。
「えーと。恵那子のE、永のE、咲のS、大輝のD……瑠夏はLか? Rか? ……わかんねーから白山のSでいいか」
「ちょっと! 良くないわよ! 何で私だけ名字なのよ!」
「あ。でもちょうどそれっぽい組み合わせ出来たぞ」
彼がそう言うから、私達は皆で彼の手元のノートを覗き込む。そこには……
seeds
と書かれていた。