珈琲プリンスと苦い恋の始まり
三回忌を迎える前に、母が突然昇平さんと再婚すると言い出した。

私に彼を「お父さん」と呼んで欲しいと頼み、私はそれを受け入れられずに家を飛び出してしまった。


そして、私を受け入れてくれた祖父母の家で暮らし出した一年後、前から病を患ってた祖父が亡くなり、還らぬ人になってしまった。


その時、母は私に「家に帰るように…」と言ってきた。
おばあちゃんにも迷惑が掛かるから…と諭してきたけど__


でも、祖母は私に「家に居ていいよ」と言ってくれた。
その方が自分も寂しくないから…と笑ってくれて。


だから、私は祖母と二人であの家で生活をした。小学校を卒業して、中学校の途中まで。


…ふと思い出した出来事に胸が詰まり、その先は考えたくないと思考を逸らす。

けれど、忘れられる事でもないから、やはり無意識に考えてる自分がいた___。


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