珈琲プリンスと苦い恋の始まり
最初は退勤後に迎えに来てくれた彼の車で店へ行き、そのまま自分の車に乗って帰ろうとしたんだ。
だけど、彼が一杯だけ珈琲を飲まないかと誘うもんだからご馳走になり、飲み終えて店を出ようとしたら夕立にあった。
雨はあっという間に上がって晴れ間が出てきて、それを見てたらハッとした。
「もしかしたら、何処かで虹が見えるかもしれない!」
ちょうど夕日が斜めに傾いてる。
東の空の低い位置に見えても不思議はないと思った。
店から飛び出し、車に置いてるカメラを取り出して坂道を下りる。
道路の向かい側に広がる田圃の畦道を走り、山の方を振り返るつもりで後ろを見ると、彼が私の後を追ってきた。
「どうしたの?」
呆気に取られて訊ねると、自分も虹を見てみたいと言う。
「ひょっとして思うけど、見たことがないの?」
「いいや。あるけど此処ではまだ見たことがないから」
私のことも心配だし…と話し、私はそんなに心配される程ヤワな人間じゃないと断った。
「まあいいから空を見て。出てるとしたらどの辺り?」
だけど、彼が一杯だけ珈琲を飲まないかと誘うもんだからご馳走になり、飲み終えて店を出ようとしたら夕立にあった。
雨はあっという間に上がって晴れ間が出てきて、それを見てたらハッとした。
「もしかしたら、何処かで虹が見えるかもしれない!」
ちょうど夕日が斜めに傾いてる。
東の空の低い位置に見えても不思議はないと思った。
店から飛び出し、車に置いてるカメラを取り出して坂道を下りる。
道路の向かい側に広がる田圃の畦道を走り、山の方を振り返るつもりで後ろを見ると、彼が私の後を追ってきた。
「どうしたの?」
呆気に取られて訊ねると、自分も虹を見てみたいと言う。
「ひょっとして思うけど、見たことがないの?」
「いいや。あるけど此処ではまだ見たことがないから」
私のことも心配だし…と話し、私はそんなに心配される程ヤワな人間じゃないと断った。
「まあいいから空を見て。出てるとしたらどの辺り?」