珈琲プリンスと苦い恋の始まり

「いいから…」


そんなに期待をさせなくてもいい。
貴方が此処にいなくても、私は平気でいられる。

これまでだって、ずっと独りきりだけど大丈夫だった。
今更何かを失ったところで、今以上に自分が壊れたりも、もうしない__。



「貴方は自分が居るべき場所に戻って。此処は貴方の棲む場所じゃない」


手も目も届かない所に棲んで、私のことなんて忘れてもいい。



プイと後ろを向いてしまう。
視界にいつまでも入れていると、また彼を求めてしまう。


私には大事なものはもう要らない。
どうせ無くして手の届かない場所へいく運命なら、最初から無い方がいい。


その方が気楽。
情もなく生きて、人生を終わらせる___。


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