その恋に落ちるのは、彼の罠に掛かるということ
「……は?」
課長の視線が一気に鋭くなり、私は、自分の発言の恥ずかしさに気付き、顔だけでなく身体全身がカッと熱くなる。
「す、すみません! 今のは間違いです! お休みなさい!」
毛布をバフッと頭から被り、視界から課長も何もかもシャットダウンする。
それでも恥ずかしさは消えず、体温は上昇していくばかりだ。
「電気、消していい?」
課長のその質問には何とか「どうぞ……」と答えると、パチ、という音と共に部屋の中がフッと暗くなるのを感じる。
早く寝てしまいたいけれど、目が冴えてしまって眠れない。
せめて課長だけでも早く寝てください! と念を送る。
課長は何も喋らない。
寝てくれたかな? と思いながらそうっと布団から顔を出したその時だった。
「さっきのってさあ」
課長がボソッと呟く。
まだ起きていたらしい……。
彼は天井を見つめながら
「セックスしたいってこと?」
と言葉を続けた。
「セッ……! 違いますよ! 間違いだって言ったでしょう! セ……とか言わないでください!」
「何だよ、怒るなよ。そう思ったって仕方のない発言だったぞ、さっきのは」
それは……確かにそうかもしれないけれど! 私が悪かったと思うけれど! でも、間違いだってちゃんと言ったのに! 課長はデリカシーというものがない!