しふぉん・けーき
帰り道―――

結局、家まで真君に送ってもらうことにしました。

「真っ暗だね~」

「うん」

「真っ暗な道ってなんかおっかないね~」

「うん」

なんとものんびりな会話・・・


でも・・・

―――カツカツカツカツ・・・

後ろから誰かがついてきている。

「後ろを振り向かないで」

私の耳元で真君が囁く。

「僕がせーのって言ったら、思い切り走るよ」

「うん」

相手に聞こえないように、相手に気づかれないようにそっと耳元で指示する。

「・・・せーのっ・・・」

と真君は私の手を掴んで走り出す。

後ろの人も走り出す。
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