拾い恋(もの)は、偶然か?
寝室ではなんだからと、リビングへ場所を移した。
「……。」
ニコニコ顔でこちらを見つめているその目は、あまり好きじゃない。真っ黒な髪を短く切り揃え、爽やか好青年という感じ。耳には、嫌味のない程度のあまり派手じゃない、良い感じのピアスが付いていた。
服装も、気持ちの良さそうなセーターにジーパン。顔はさすが司馬さんの弟なだけあって整っている。
司馬さんとは系統の違うイケメンといったところか。強いて言うなら、男らしい風貌のキリッとした印象の司馬さんとは違い、弟さんは少々女性のような中性的な顔立ちに見える。
並んでいると、圧巻。だけどその間に漂う空気はピリついていて、さすがの私にも分かってしまうほどだ。
それも、上半身裸の部長とほぼ裸の私が抱き合っている場面に出くわされているわけで、前後の会話を聞かれているとなるともはや憤死もの。
そして何より、司馬さんを見る目が気に食わない。
馬鹿にしてるような、見下しているような、そんな。
「初めまして。司馬衛といいます。君は、なにちゃん?」
「……古蝶です。」
昭和のチャラ男を連想させるような軽さに、見た目の良さが上げた好感度を一気に下げた。とりあえず失礼があってはと、頭を深々と下げて挨拶する。
なにちゃん?という質問に当てはまりそうな名前は省略。笑顔で固まるこの人に、音ちゃん、と軽々しく呼ばれたくはない。
「うん。音ちゃんね。」
なんで知ってんのよ。