拾い恋(もの)は、偶然か?





「彼氏の家に来ただけで結婚を承諾したことになるなんて、聞いたことありません。」

「じゃー、兄さんと結婚したくないわけ?」


「そんなこと言ってないじゃない。部長が私の旦那様だったら裸踊りして喜ぶわよ。」

「なにそれ、変なの。」

「それだけ私には嬉しいことなの!」




立ち上がった私を見上げている部長から、目を逸らした。


「そういう、大事なことは。」



そう。結婚云々も、部長が男性不妊であることも、そういうのは、今ここで話すべきことなのかな?


「2人の問題です!なんで全部衛に聞かなきゃいけないんですか!」

「……音。」



悔しくて、情けなくて、恥ずかしくて。なんだか涙が出てきた。


なぜか、泣いていると思われたくなくて、必死に手で涙を拭くけど。溢れてくる涙は一向に止まる気配はない。



「呼び捨てすんなよ。」

「うるさい衛。」


こいつほんと、なんなんだろう?勝手に寝室にまで入ってきて、多分部長が今まで私に言えなかったことを次々暴露している。


それだけ私がまだ信用されていなかったのかもしれないけど、これから私たちが2人で抱えるべき問題を、第三者から聞くなんて、結構堪える。



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