拾い恋(もの)は、偶然か?



そんな時、チェックしていた社内メールに新着が。開いてみるとそれは部長からだった。


[今日の夜の約束、忘れないで。]

「……。」


とりあえず返信。

[業務内容以外のものはスマホにお願いいたします。]

ほんとに、公私混同も甚だしい。


「ごめん見えた。」

「え?」

隣を見れば、鳴海先輩が苦笑いでパソコンを指さしている。


「ほんと、思ってたのと違う。」

「……これは部長が悪くないですか?」


思わず口が尖る。私だってそりゃ、部長からのメールなら嬉しいけど。なにも社内メールで送ってこなくてもよくない?下手したら他に誤送信とかもあり得るし、こうして見られることもあるわけだ。


せっかく個人で連絡先をやりとりしてるんだから、スマホでやりとりすればいい話。わざわざリスクを冒すこともないと思うの。


[社内恋愛の醍醐味だろ?]

「……。」

「ほんと、意外よね。」


だけどどうやら、あの天然王子には分からないらしい。


「またこれもいいと思っちゃうから、だめなんですよね。」

「ハハッ、ラブラブじゃん。」


そして結局、あの人には敵わない私がいる。




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