拾い恋(もの)は、偶然か?
「仕事のミスをして泣いてて凄く真面目な子なんだなって思ったですって。馬鹿過ぎない?いや馬鹿でしょ。」
「なにそれ。ミスで泣くとか一番クソじゃん。そんな暇あったらミスを取り返せっての。」
「でしょ?しかもいつも笑顔でコーヒー淹れてくれて笑顔が素敵だなって思っただって。今時同僚にコーヒー出す女なんてそいつ狙いに決まってるでしょ。」
「それ。」
……確かに。給湯室はあるけど、基本自分のものは自分で入れる。かなり昔とは違って今はポーションタイプの一杯ずつ入れれる機械が備え付けてあったり、味の好みも幅広く置いてあるから。
給湯室を本格的に使う時は、会議だったり、お客様に出すコーヒーを淹れる時くらい。コーヒーが苦手な方もいらっしゃるから、紅茶や緑茶を入れれるように。
それにしても、さっきまでの落ち込んだ雰囲気はどこへ行ったのか。今にもスプーンが曲がりそうなほど拳を握り締める鳴海先輩は、腕を組んでそれを聞く松崎さんとリズムよく暴言を吐き合っている。
「仕事のミス?連発してみろ。七瀬みたいになるのが現実でしょ。」
「まぁ、仕事でミス連発する奴なんてゴミみたいなもんだからねー。」
松崎さん、ネイルを見ながら恐ろしいこと言うな。ん?七瀬さん?