拾い恋(もの)は、偶然か?




「古蝶。」

「……はい。」


呼んだくせに、松田部長の視線はスマホのまま。

「お前さ、翔吾のこと、どれくらい本気なわけ?」


一瞬、質問の意味が分からなかった。本気?本気というのは、どのことに関してだろう?付き合ってることに関して?それとも将来の話?

まあどちらにしろ、私は。


「なんでも本気ですけど。」

「は?」


私の回答が気に入らなかったのか、視線を上げた松田部長は私を睨みつけてくる。

「なんですか。翔吾さんのことですよね?私はいつも本気です。」


正直にそう言った。そんな私をジッと見つめる松田部長が何を言いたいのか、まったく分からない。


「……はぁ。」


あきらめたようにため息を吐いた松田部長。翔吾さんのことを思っての質問なんだろうけど、さっきからいい気はしていない。


「悪い。なんか、初めてで戸惑ってるわ。」

「なにがですか?」


頭をガシガシと掻きむしった松田部長は、近くにあった水を一口、口に含んだ。


「なんか種類が違うんだよな。これまではこう、ボンキュッ、キュッ、みたいな、頭も良さそうな奴ばっかだったから。」

「部長、失礼ですけどぶん殴りますよ。」


どうせ私はちんちくりんだ。



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