拾い恋(もの)は、偶然か?



「でもまぁ、その様子じゃ翔吾のデレデレを当分見れそうだな。」


安心したようにため息を吐いた松田部長。いやいや、勝手に締めくくろうとしてますけど、逃がしはしませんからね?


「とりあえず訂正してもらえますか。」

「なにを。」


もうすぐ翔吾さんが戻ってきてしまうかもしれない。こんなこと、絶対に本人には聞かせたくないことだ。


「欠陥なんて言葉、間違っても使わないでください。」

「っっ、」


どうして翔吾さんがそういう体になってしまったのかは分からないけど、そのことがあんなに仕事ができる完璧人間のあの人に色々な事を諦めさせている。


それはなんだか悔しくて、私にはとても腹立たしい。


「普通の人ってなんですか?なんでも平均値ならすごい人なんですか?違うでしょう?」

「ま、まぁ。」


松田部長の目が泳ぐ。なんだかこの人もどこかで翔吾さんのことをそういう目で見ていたのかと思うと、すごい悲しいことだと思った。


「翔吾さんのもっていないものが、そうなだけです。それに、子供云々は将来翔吾さんと家族になる人が一緒に考えることですから。」

「は?」


目を見開く松田部長。すごく驚いてるけど、なに?


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