拾い恋(もの)は、偶然か?
すきっ腹にお酒は良くないというけれど、まさにそれで。
「……なんか、してないだろうな?」
自分自身に問いかけてみる。
冷蔵庫の前の床に座ったまま、部屋を見渡す。1Kの狭い部屋。見渡すだけで違和感に気付けるのは便利だ。
玄関。うん、乱れもなく私の靴だけ。ベッドも起きたまま。台所も、冷蔵庫も、オーケー。
「鞄。」
思い立って玄関傍に落ちている鞄を探る。別段、ゲロまみれというわけでもなく、何か新しいものが入っているという感じでもない。
「はぁ。」
安堵の溜息を吐いた。どうやら私は昨日、きちんと飲み会を遂行して酩酊状態だったとしてもきちんと家に1人で帰れたらしい。
「いや、安心はできない。」
ということで、スマホを取り出す。お休みの、しかも前日迷惑かけただろうこの日に鳴海先輩に連絡を取るのは心苦しいけど。しかも、時間を見れば朝7時。ふざけろと怒鳴られるのは覚悟しなければならないだろう。
すみません先輩。メッセージにしときますので。
[おはようございます。私昨日、きちんとやれてましたか?]
なんだこの文章。送信を押して変な顔になった。
でも、心配でしょうがないのだ。お酒を飲んで理性が崩れ落ちた私。隣には司馬部長。嗚呼、襲ってなければいいけど。