拾い恋(もの)は、偶然か?
司馬部長でもこういうとこ行ったりするんだ。ちょっと好感持てたり、して。ギャップ萌えなのだろうか。お世辞にも綺麗とは言えない居酒屋で、優雅にビールを飲むこの人がとてもかっこよく見えてしまって、思わず横目でチラチラと見てしまう。
「音、何見てるんだ?」
「え?あ、べ、別に。」
貴方を見てました、なんて言えるわけもなく、誤魔化すようにコップを傾ける。
「ふ、音、もうなくなってるけど?」
「……あ。」
なんか、色々と見破られている気がしてならない。
「おかわり、します。」
「了解。」
だけど、そんなことも深く考える余裕なんて、今の私にはないらしかった。
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「……ん。」
目が覚めれば、自分の部屋。きちんと着替えてベッドで寝ている。
「あー、飲み過ぎた。」
3杯目まではなんとか覚えてる。だけどそれで記憶をなくすほど、私はお酒に弱いわけじゃない。
「あんまり食べてなかったかもな。」
ヨタヨタとベッドから出て冷蔵庫の中の水を飲んだ。頼んだおつまみにはあまり手を付けてない時に部長たちが登場したせいか、あの場のいたたまれない感に蓋をするようにお酒ばかり飲んでしまった気がする。