拾い恋(もの)は、偶然か?


それにしても、こういう噂好きな人たちはどこにでもいるもの。もはや呆れを通り越して快感にならないかと不安になるほどだ。


「とにかく。」

「な、なによ。」


とりあえず、気の強そうな方の顔ギリギリで壁ドン。これこそ伝家の宝刀、とまではいかないけれど、ある程度威圧はできるのは実戦済みだ。


だって今もほら、息を呑んで私を見つめ返している。心なしか頬が赤いのは、怒りという意味で興奮しているから、ということにしておこう。


会うたびに身の危険を感じさせてくれるのは明日香さんで精一杯なので。



「くだらない噂ばかりしてると、その綺麗な唇が曲がりますよ?」


シン、と静まり返る給湯室。少々セリフが臭すぎただろうか?


「き。」

「き?」



俯いたその人が突然、自分の拳を強く握る。まずい、これは反撃タイプか?


気の強い子は意外と気が弱くて相手を先に攻撃して自分を守っている子が多い。そこで私が考えついたのが先手必勝の壁ドンなわけだけど。



たまに本当に気が強くて、反撃してくる子もいる。


さすがに殴り合いにまではなったことはないけど、そうなったら100%負ける自信がある。




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