拾い恋(もの)は、偶然か?
だからなんだろう、この不穏な空気を呼んだ私は、心の中で叫んだ。
『鳴海先輩、助けて!』
鳴海先輩は気が強いだけじゃなく、空手を志すまさにスーパーウーマンだ。その気の強さのせいで情けない男が好みなんだと、この間お酒の席で管を巻いていたけど。
「さ、さ。」
「ひい!」
私の手をガシリと組んだその人は、勢いよく顔を上げて。
そのキラキラに光る目で私を見つめた。
「触っちゃったー!」
「わ、私もー!」
「へ?」
私の手をゴリラクラスの力で握るその人の上から、仲間の女性も手を握る。
「ちょっと、私の手じゃなくて古蝶さんのを触らないと!」
「あ、ほんとだ!あんたじゃ意味ないね。」
「ちょっと!それも傷つくんですけどー。」
な、なんだなんだ?何が起こってるんだ?
「はー、これで今日の合コン。行けるわ。」
「私も!今日は自衛官だし、勝負所だよね!」
嬉しそうに私の手をなでなでしてくる女子社員2人、とあっけにとられている私。ようやく私の戸惑いに気付いてくれたらしいその人たちは、慌てて手を放してくれて恥ずかしそうに笑った。