拾い恋(もの)は、偶然か?
「頑張ります。合コン。」
「はぁ。」
「ありがとうございますー。」
呆然とする私を残して、彼女たちは足早に去っていった。残されたのは冷たい風と戸惑う私だけ。
「噂があるの知ってる?」
「おほっ。」
突然後ろに現れた声の主は、まぁ見覚えのある。
「びっくりした。」
「だからっておほって。」
鼻で笑う松崎さんは相変わらずスキのないいで立ちで腕を組んでいる。それより、秘書課は暇なのかい?しょっちゅう私に会いに来てるような気がするんだけど。
「噂ってなんです?」
「はぁ。ほんと、訳の分からない。小学生かって思うわよね。」
「おーい!私は噂を知らないんで知ってる体で話を進めないでくださーい。」
「あ、ま、まぁ、そうよね。」
どこか恥ずかしそうな松崎さん。この人も、ちょっと天然だよね。
「司馬翔吾を彼氏に持ち、その弟も手玉に取る。あの秘書課一の美人松崎若菜を親友に持ち、仕事の鬼鳴海に可愛がられている。更に、松田総士を飲み友達に持ち、直野明日香の嫌がらせにも動じることはない。社長という壁を前にしてもこの会社で働き続ける図々しさはまさに天下一品!」