拾い恋(もの)は、偶然か?
「そりゃそうだろね。部長は紳士だもん。素敵な人よ。そりゃ乱暴なことはしない!」
そう言いながらもパンプスを乱暴に脱いだ私は、その辺に鞄を放ってベッドに乱暴に座る。近くのホームセンターのバーゲン品で買ったベッドは寝心地が悪くて不評。いちいち座りなおす度にギシギシ言うのに飽き飽きしている。
「はぁっ。」
鼻息荒く溜息を吐けば、虚しさも飛んでってくれればいいのに。
「はあーあ。」
ベッドに寝転んでだらしなく足を放り出せば、見慣れた天井が見える。
要するに私は、烏滸がましくも部長とのお付き合いに不満を抱いている、と。
別にプラトニックが悪いわけじゃない。部長は相変わらず素敵で、エスコートもとても素敵で。うん、素敵。
だけど何だろう、私が思い描くのは、望んでいるのは、そんなおとぎ話みたいな恋じゃない。
子供の頃思い描いていた、王子様との恋。それはキラキラしたものに包まれて、真っ暗で汚い部分なんて一つもなかった。
だけど、大人になった自分が望んでいるのは、そんな理想とは程遠い恋だ。
私はきっと、気付いているんだろう。私と部長の間にある、線引きみたいなものを。
それは触れようとしても触れられない。だけどいつか、壊さなくちゃいけない、難解なもの。
それがどんな原因で引かれているにしろ、突破しないと私たちは、終わりだ。