私の本音は、あなたの為に。
もう、全てを諦めた私だけれど。


女子として居れる時間だけは、制限されたくない。


誰に何を言われても、私は女子だから。


その分、“勇也”になりきってみせる。


(だからママ、少しだけなら良いよね)


私は心の中で、ママに謝った。



「じゃあ、それで決定で」


五十嵐の言葉に、私は笑って頷いた。


その後、私達は希望していた通り、月・水・金の放課後の活動を担当する事になった。


活動時間は16:00~17:00まで。


主に、本の貸出と返却の手続き、そして本棚の整理をする。


その他の時間は、図書室に居れば好きな事をしていいと言われた。


(ママ、何て言ってくれるかな…!)


私の心は、期待で満ち溢れていた。



「ただいまー」


委員会が終わり、家に帰った私は玄関の扉を開ける。


「おかえり、勇也。今日はどうだった?」


洗い物をしているママが、顔だけこちらに向けて尋ねてくる。


「今日は委員会決めをしてさ。俺、図書委員になったよ」


私は自分のリュックを自分の部屋に置きながら、そう報告した。


家に帰ると、1人称の言い方まで変わってしまう。


けれど、これが私にとっての“普通”。


今更、変える事など出来ないのだ。
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