副社長は今日も庇護欲全開です
郊外に向かう国道は、二十二時前とはいえ渋滞がない。車はスムーズに走っていて、ホッとする自分がいた。

送ってもらうのに、道が混んでいては申し訳ないから。

それにしても、副社長の運転はとても丁寧だからか、乗り心地がいい。

「副社長は、きっとなんでも出来る方なんですね」

ふと呟くと、彼はクスッと笑った。

「急に、どうかした?」

「運転も、お上手だなと思ったもので……」

少し照れくさく感じながら答えると、副社長にさらにクックと笑われる。

「買いかぶり過ぎだ。俺のことを完璧な感じで言ってるけど、そうでもない」

「そうですか?」

「そうだよ。結構、休みの日はゆっくりしてるし、昼まで寝てることもある」

そんな風に言う副社長に、私はふふっと笑った。

「イメージが湧かないですよ。私たちが見ている副社長は、いつもクールで有能な方ですから。素顔の副社長は違うんですね」

見てみたいという気持ちもあるけれど、それはさすがに無理なこと。

「きっと違うよ。きみが抱いてる俺のイメージは、崩れてしまうかもしれないな」

どこか冗談っぽく言う副社長に、私は微笑みを向けた。

素の副社長って、どんな感じなんだろう。気になっちゃうな……。
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