副社長は今日も庇護欲全開です
私が住む五階建てマンションは、十部屋あるだけの単身用のシンプルな建物。

周りも同じようなマンションばかりで静かだけれど、五分ほど歩くと駅があり、そこは賑やかな場所になっていた。

周りは、コンクリートのマンションやビルばかりが並ぶ殺風景な雰囲気。

そこには不似合いな副社長の高級車を降りると、窓越しに挨拶をした。

「副社長、今夜は本当にありがとうございました。お気をつけて、帰ってくださいね」

「ありがとう。それから、きみが嫌でなければ、連絡先を教えてもらえないか?」

「えっ?」

連絡先を……? それって、私のプライベートのものをってことよね?

途端に、ドキドキしてくる。どうして副社長は、そんなことを言ってきたのだろう。

「無理強いをするつもりはない。抵抗があるなら、断ってもらって構わないよ」

窓越しに話す副社長は、いつもの余裕ある表情で私を見ている。

高鳴る胸を抑えながら、私は小さく首を横に振る。

「嫌なわけ……ありません」

バッグからスマホを取り出すと、副社長に番号
を伝えた。
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