副社長は今日も庇護欲全開です
それにしても、口紅を変えたくらいで、そんなに印象が変わるかな……。

真美香は、まだ不審そうに私を見ているけれど、気にしない振りをしていよう。

「真美香、これから郵便局に行ってくるけど、なにかある?」

「郵便局? 別にないけど、庶務に頼んだら?」

私が持っているA四サイズの茶封筒を見ながら、真美香はどこか物足りなさそうに答えた。

きっと、話をはぐらかされたと思っているに違いない。それは分かるけれど、直哉さんとの関係は、話せることじゃなかった。

「それが、急ぎのものなの。速達で出したくて……」

庶務に頼むと、お昼までは持っていってもらえない。午前中に出したいものだから、自分で行くことにした。

「そうなんだ。私は特にないから。ありがと」

真美香は笑みを見せると、仕事を再開させる。そして私は、封筒を抱えるとオフィスを出た。

エレベーターを降りビルを出ると、頭上には青空が広がっている。

爽やかな天気と満たされる心で、足取りも軽くなりそう。足早に郵便局に向かい速達を出すと、オフィスビルへ戻った。

すると、エレベーターの前で直哉さんに出会い、一気に鼓動が高鳴る。住川さんも一緒だ。

「あの、お疲れ様です」

嬉しい。こんな偶然があるなんて……。つい、頬が緩みそうになり、慌てて自制した。
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