くまさんとうさぎさんの秘密
ウサギ小屋の子ウサギたち
by肥後橋 洋治
テストが終わった。
周りはみんなクラブだのなんだの忙しそうだし、俺は、久々にあゆみを自転車の後ろに乗せて、走っていた。
風が気持ちよかった。テストは、まあまあだと思う。
まあ、でも、今日はそのことは考えない。
あゆみが俺の背中にぴったりくっついてる。
あゆみの胸がぴったり背中にくっついてる。
あの後、義明の話も宇佐美の話も忘れてた。
それが、、突然、後ろであゆみが声をあげた。
「宇佐美だ。宇佐美さんだ。」
宇佐美は、俺とあゆみが通っていた保育園の中にいた。
彼女は、エプロンをして、三人のちびっこに囲まれていた。
ボールを持って何か笑っているのが見えるが、何をしているのかは分からない。
ボールをわたしたり、手をたたいたりしているのが遠めに見える。
「あいつ、何か兄弟たくさんいるって言ったっけ??」
「でも、一番下がたしか、小学生だよ。保育園の子はいないと思う。」
「よくわかんないけど、行くとこがないわけでもなさそうだし、良かったじゃん。」
「行くとこないって言ってたよ。バイトしなきゃって言ってたし。」
「よくわかんないけど、あそこにいるんなら問題ないだろ。」
俺は、止まらないようにペダルをこいだ。
今日は、お持ち帰りだ。邪魔されてたまるか。




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