桜色
次の瞬間。

先輩の優しい指が、私の髪に触れた。



…!



何が起きたのか訳がわからなくて…立っているのが精一杯。



そっと髪から指が離れると…先輩は手のひらを差し出した。


「花びら、付いてたよ」

「あ…」

恥ずかしくて、顔が熱くなる。


「またね」

そう言ってニコリと笑うと、先輩は私に手を振り歩き出した。
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