君がいて、僕がいる。
「悪い、今年は彼女連れてきたから」
「えっ、…彼女?」
そういってこちらに向けられたミサキさんの顔は、さっきとは違って、楽しさゼロの真顔だった。
「そ。同じ学校の1年の真希。
真希、こっちはこの家の隣に住む石田美咲。
俺と同い年で、幼馴染みみたいなもんだな」
ふーん、幼馴染み……
「美咲です。よろしくね、真希ちゃん」
「あ、はい。こちらこそよろしくお願いします」
色が白い。はだが綺麗。スタイル抜群。
髪の毛も綺麗で、顔も綺麗。
……なんなの、この差。
やっぱり、毎日食べてるものが違うから?
「ねぇ、とうもろこし1本ちょうだい!」
「はぁ?俺と真希の分しかないっつーの」
「いいじゃん、この1本の方を半分にしてくれれば」
「今さら折れるか!」
そのやりとりが、なんか本当に仲良さそうというか…
圭介が、他の女の人と喋ってるところを初めて見たから、こちらが戸惑ってしまって…
「あ、あの…よかったら私の分どうぞ」
「は?いや、真希は食べていいから」
「ううん、いいの。
カレーも食べて、さっきつまみ食いもしちゃったからお腹いっぱいで…
だから美咲さん、よかったらどうぞ」
「本当に!?ありがと~!」
「お前は少しは遠慮しろ」
「なによ、いいじゃない。
いつもは私の分も焼いてくれるくせに」
……いつも、か。
ってことはさっき言ってたこっちのツレって、美咲さんのことかな
「……あの、ケータイの充電がないから、部屋で充電してるね」
「え、あぁ」
…なんだろう、あの人嫌だ。
いい人なのかもしれない。……でも、私はいやだ。
私は一緒にいてはいけない、そんなオーラがある気がする。