君がいて、僕がいる。



そのあと、その3人は私に一人ずつ自己紹介をしていって、私たちの後ろへと去っていった。

自己紹介、なんて私に必要だろうか。……また会うことはあるんだろうか。


そして神社まではまた2人が前で、私が後ろ。
なんせ3人はならんで歩けない。
ずっと楽しそうに話してる2人だから、自動的に私が1人になる。

それに対して、圭介はなんにも思わないのかな…


とにかく、つまらない。
私をつれてきておいてこの仕打ちはひどくない?
いつになったら、その笑顔は私に向けられる?
いつになったら私は楽しさを感じられる?

こんなつまらないお祭り、うまれて初めてだよ。


歩いた果てについた神社では簡単に手を合わせただけ。今の私にはなにも思うことはなくて、逆に神様に悪いことをしたなと反省までしてしまうほど。


「さーて、なに食うか」

「とりあえずりんご飴でしょ!」

「お前本当好きだな~」


そんな会話も二人だけ。
私に入れる隙はない。

本当に本当に一緒にいるはずなのに私だけ相手にされてなくて、こんなむなしいこと他ではなかなかないから本当にいじめ受けてるみたいで、苦痛だった。


帰りたい。


そんなレベルで、嫌だった。


「ってか御輿も見てぇんだけど」

「んならあっちまで行かなきゃ」


そういって楽しそうに歩く2人を見ながらも、私の足はここから動こうとはしない。
ついていかなきゃ、なんて心も思っていない。頭でも思っていない。

私、なんでここにいるんだろって、そんな虚しいことしか考えられなくて、楽しそうな2人が遠くなっていくのを、ただただ見つめるだけだった。


「……もう、いいや」


一緒に行動したところで楽しくない。
……なら、もういいや。

足も少しいたいし、あそこのベンチで少し休もうとやっと私の足が動く。


もう疲れたや。



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