君がいて、僕がいる。



「ねぇ、真希」

「ん?」


まだ私は圭介の温もりに包まれたまま。
力のこもった腕が、さらに力を増して私を包む。


「……俺、真希のこと大好きだよ」

「はは、知ってる」


いつになく真剣だったからそう茶化してみても、圭介の力は緩まることはなかった。


「そうじゃなくて…俺、アユと同じくらい、真希のことが好き」

「……え?」

「ずっと思ってた。わかってた。
……だけど、言えなくてごめん」

「…ううん、そう想われてるだけ幸せだもん。
でもなんで言えなかったの?」

「……真希がいなくなるのが、怖くて」

「…え?」


私がいなくなる…?
どうして、そんな風に考えてるの?


「いつか真希がいなくなっても、今までならアユを想ってなんとかなってたと思う。
…だけど、今の気持ちを口にしたら、もう元には戻れない。
俺自身が認めるのが怖かった。

…また、あの頃みたいになるのが嫌だったんだ」


…つまり、私のことをそんだけ好きでいてくれる文、失うのが怖い、と。
アユさんにどっぷり浸かったからこそ、アユさんがいなくなったことが受け入れられないから
だから、私への気持ちは気づかないことにしていた、と。

そういうことでしょうかね。


「でも今日、気づいたら真希がいなくなってて、俺超焦って探して
見つかったと思ったら拓弥と二人で

あん時俺、もうぐっちゃぐちゃでさ
……もう、誤魔化しきれないところまできたのかって思って…
自分自身を誤魔化しながら真希と付き合ってきたけど、もう誤魔化すことも難しいくらい、真希が好きだって気づいたんだよね。

…だから、この気持ちを素直に認めることにしました。
今まで言えなくてごめんね」

「ん、いいよ。
そんなの、全然謝ることじゃないじゃん」

「でも今日それでケンカしたじゃん。
俺、あんときもまだ認めることができなくて、そのくせアユより好きじゃないとも言いたくなくて…
俺の都合で真希を傷つけたから」


……そっか。
でも、その気持ちは私もわかるよ。

私も、圭介を失ったときのために『所詮2番目』という保険をかけていたんだ。
そうやって、自分を守ってきた。

だから…私は、圭介を責めたりしないよ。


「もう、くだらないことで真希を傷つけないから」


そういって、優しくキスをする。
そのキスが気持ちよくて
はじめて、私もキスをしているときに圭介を抱き締めた。

離れたくなくて、ずっと隣にいたくて
これまでない幸せを、まだ実感できていない私を、少しでも幸せにしたくて



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