君がいて、僕がいる。


たったそれだけのことを想うだけで、私の心が軽くなる。暖かくなる。

圭介ばっかりずるいよ。
いっそのこと、嫌いとか言ってくれればよかったのにな。……私だって、まだまだ圭介のこと好きなんだから


別れたって、私はまだまだ圭介が好き。
好きでいる。

そう決めた私の目から泪は止まった。

となりに圭介がいないだけ。たったそれだけで、私の心境にはなんにも変化はない。


……だから、圭介がいなくたって、また頑張って生きていけるよね…?



「神谷っ、!」

「ゆ、優斗くん…?」


私の中でひとつの決意を固めたところで、なぜか焦ったように優斗くんが屋上へと来た。


「あれ、神谷は…?」

「圭介ならもう帰ったけど…どうしたの…?」

「神谷、担任に退学届け出したみたいで」

「……えっ…!?」


な、なに……どういうこと…?


「今日の朝なんか出しに来たみたいで…」

「な、なんで…?」

「理由は担任も意味わかんなかったみたいなんだけど、『俺がいたら迷惑かけるから』ってそれしか言わなかったらしくて…
担任も、せっかくここまで頑張ってきたのにって説得したみたいなんだよ。あと半年で卒業だろって。
だけど神谷の意思は変わんないみたいで…今思えば最近の神谷は勉強はしないしなにもかもが適当だったから、担任が前から決めていたのか?って聞いたらしいんだけど、なにも答えなかったらしくてさ」


……なに、それ…
前から決めてた、って……

……そういえば、何回が受験生なのに、とか言ったことあったけど毎回、『俺には必要ないから』って…

…やっぱり、前から決めてたってこと…?


……もしかして、私と別れることも…?


意味が、わかんないよ…


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