君がいて、僕がいる。



「……やっぱ、真希ちゃんも知らなかったのか」

「うん。……っていうかね、別れたの。さっき」

「はっ…!?え、嘘だろ…?なんで急に…」

「んん…、話すと長くなるんだけど…まぁ、私はたぶんフラれた側。
圭介から別れきりだしてきて…」

「……だから真希ちゃん、そんな目腫れてんのね」

「えっ…!は、腫れてる…!?」

「え、うん」


ま、まじかぁ…それじゃあなんか帰りにくいじゃん…
他の人に見られたくない…ってか優斗くんにも見られたくなかったわ…


「……まぁさ、校門まで送ってあげるし、今日は早く帰んなよ」

「……ん。ってか校門までって」

「だって俺まだ仕事あるしー」


そんな、いつも通り過ぎる優斗くんに笑ってしまった。

私の側にいた優斗くんがドアへと向かったから、私も自然とドアへと向かう。
先にドアから校舎へと入ったから、私もそのままついていこうとした、けど


「……どうしたの?」


校舎に入る前、もう一度この屋上へと視線を戻した。
もう、ここへは来ないかもしれない。……ううん、きっと来ないだろうな。

ここには、思い出がたくさんだから。


いろんなことがあったな。
……そう思うのに、思い出すのはいつも適当な圭介の姿と暑かったことだけで

あれ?私たちってここでなにしてたんだろう?って今思えばなんにもなかったのかもしれない。
……でも、確かにここには思い出でいっぱいだから


「……バイバイ」


そんな思い出たちに別れを告げる。
そしたらまたいつか、ここに笑ってこれるかもしれないから


「ごめん、お待たせ」


だから一回、ここともお別れ。

次来るときはもう少し強くなってからくるね。




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