君がいて、僕がいる。



「…正直、なんかこんなこと真希に言うのも気持ち悪いけど
俺が見た神谷さんは本当に真希のことが好きだった。
正直、別れたなんて信じられねぇくらい、神谷さんは真希を大事にしてた。

…だから、神谷さんが真希に別れを告げたってことはもっと他の理由…
もしかして、真希をなにかから守るためだったり…」

「え?」


なにかから守るため…
そんなことを言われて思い出す、圭介の願い…

『守れる男になりたい。』


「…でも、なにから守るわけ?」

「知らねぇよ。
でも、アユさんをあんな形で失った神谷さんだからこそ、真希のことは守りたいんじゃねぇの。
アユさんの時、神谷さんは自分なんかと付き合ってたからってすげぇ後悔してたし……っ、」


そこまで言って、将希は固まった。
なにかを思い詰めてる表情ではない。……でも、確かになにかを考えて固まっている。


「…将希?」


そう呼び掛けても、しばらくは返答がなくて
でも、顔だけはすこしずつ険しくなっていった。


「……真希、今日って8月27日、だっけ?」

「え?うん、そうだけど」


私がそう答えると、将希は険しい顔のまま立ち上がった。


「真希は家にいろ」


それだけ言い残して、すぐに部屋から出ていったから、


「え!?ちょっ…!」


私もすぐに部屋からでて追いかけた。


「将希っ…!!」



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