君がいて、僕がいる。



急いで家を飛び出し、将希はその間にどこかへお電話。……たぶん、優斗くんのところ。

学校まで走ると、優斗くんが校門のところに立っていた。


「お久しぶりです」

「おう。……神谷、あいつらんとこ行ったんだって?」

「たぶん、ですけどね」


自分の弟が、自分の学校の生徒会長とこんな風に話しているのがすごく不思議と言うか、違和感があって
私はその光景を少し遠目に見てしまった。

そんなこと、考えてる場合でもないのにね。


「急ごう」


優斗くんはそう言って、速いスピードで足を動かす。
そのスピードに、女の私だったり、優斗くんより背の低い将希は追い付くのに必死だった。


「……優斗くんは、圭介がどこにいるかわかるの?」

「わかんないよ。今向かってる場所だって、あってるかはわからない」

「今はどこに向かってるの?」

「……佐脇が、ヤられた場所」


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