君がいて、僕がいる。


「将希ー」


暇すぎて、着替えた私は珍しく家にいる弟の部屋のドアを開けた。


「……自分の部屋はノックしないとキレるくせに、人の部屋に入るときはノックしねぇのかよ」


相変わらず可愛いげのない弟は、すっごく珍しく机に向かっていた。


「はいはい、すみませんね。
なにしてんの?勉強?」

「そう」

「へー、え!?勉強!?あんたが!?」

「…るせぇな
学校からの宿題なんだよ。入学式の日に持ってくからやってんの。もう日がねぇから」

「へぇ…」


宿題…そういや、私も入学するときあったな…
入学前から出すなよって文句言いつつやったっけ…


「あ、ちょうどいいわ。真希手伝えよ」

「は?やだよ
自分でやりなよ」

「自分は木村さんに手伝ってもらってよく言うわ」

「…なんでそれをあんたが知ってんの」

「聞いたから。
ほらよ、数学な」


・・・まじかよ。
失敗したなぁ…これなら暇でも自分の部屋にこもってるか、最悪お母さんの手伝いとかの方がましだったわ…


「ってかなんか用があったから来たんじゃねぇの?」

「用なんてないよ。暇だから。」

「はぁ?どんだけ暇なんだよ」

「本当だよ。冬休みはまぁ年末年始でそれなりに忙しく過ごせたけど…夏休みは本当、毎日が圭介と優斗くんのおかげだったしな…」


なにをするにも、どこに行くにも、あの二人のどちらかがいたから。
というか、圭介のおかげで優斗くんと知り合えたわけだし、もっと言えば圭介のおかげだったんだけどさ。

…本当、あの人たちがいないと私はなにもすることがない。

頑張って生きようって思ったけど…何をどう頑張ればいいのかもわからない。

あの頃は本当に毎日が楽しかった。輝いていた。
……それなのに、私の毎日はまた平凡な。輝きもないつまらないものとなっていた。


今は、人生のつまらない時期なのかな。
これを乗り越えたら、また楽しい時期がやってくるのかな。


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