君がいて、僕がいる。



「……真希…」


離れてみて思ったんだ。
私は、なにかを望んでいた訳じゃない。
なにかを望んでいた訳じゃないんだって…

ただ、こんな風に
ただそばにいたかっただけなんだ__


「会い、たかったよ……」


ただそれだけ。
それだけなんだ。

そばにいられれば、それでよかったんだ。
一番とか二番とか、もうそんなのどうでもいい。

何番目でもいい。


だって、私が君を好きなこと

それに意味があるんだから


私は、圭介がいたからここにいる。
圭介がいなかったら、ここにいない人間なんだから……


「……俺だって、ずっと会いたかった」


そういって私を抱き締める圭介の体温が、ぬくもりが、前となんにも変わっていなかった。


「俺に、こんなこと言える資格あんのかわかんないけど」


そういって、圭介の腕はぐっと強まった。


「__俺、真希のこと好き」


その言葉に、私の心が跳び跳ねる。
久しぶりに聞く言葉に、私の心臓が壊れそうなくらい感じるこの鼓動


「本当はもっと早く会いたかった。
もっと早く伝えたかった。

……でも、俺なりのケジメをつけようとしたんだ」

「……ケジメ?」


その言葉に、圭介に埋めていた顔をあげて圭介の顔を見た。
こんな顔を見られたくなかったけど…そんなことに構ってる余裕なんかなくて……


「ん。
……それが、あの日。
本当は、あいつを殺すとか、俺が死ぬとか、そんなこと考えてなかった。
ただあいつの口から真実を聞ければそれでよかった。
それで最後にしたかった。

…でも、あいつの顔見たら、昔の記憶が甦ってきて、それと同時に怒りがまた沸々と沸いてきて…
気づいたら、あの状況になってたんだよ」


そう語る圭介の表情はすごく苦しかった。
そんな顔を見ていたくなくて

「……思い出さなくていいよ」

そう告げたけど、圭介は首を横にふった。


「いや、真希には伝えたい。
真希には知っててほしいんだよ」


強く、私の目を見ながらそういった。
そんな顔を見たら、瞳の力強さを感じたら

もう、拒むことなんてできなかった。



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